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表現活動は自身の内面がそのまま現れ出るもの ー だから僕は人生をかけて自分を磨いていきたい【後編】

力強く、存在感ある人物画を描く伸太郎さん。後編では、作品の多くを占める「人物画」を描く理由や描く際に常に考えていることについて、また “チャレンジすること” への熱い想いと独自の考えをお話しいただきます。

油絵に出会い、ようやく見つけた “自分らしい” 表現

—— 今年の4月頃から環境が整うとともに、絵描きになることへの意欲もわいてきたそうですが、なぜ突然に意欲がわいてきたのでしょう?

その頃、初めて油絵を描いたんです。油絵を描いてみたら、すごい楽しくて。今思うと、それが意欲のきっかけだったんじゃないかなって、思いますね。

—— なぜ、急に油絵を描こうと思ったんですか?

ずっと昔に買って、そのまま放置していた油絵の具一式が家にあって、そろそろ使わないともったいないなって思ったんです。このまま腐っていく前に使ってあげないとあかんなって(笑)。

きっかけは、そんな些細な理由だったんですけど、いざ使ってみたらすごく楽しかったんですよ。

—— それまでは、どんな画材を使っていたんですか?

水彩かアクリル絵の具です。

—— それらと油絵の具は、何が違ったのでしょう?

油絵の具は、いい感じに色が混ざります。色の調整がしやすいことと、失敗したとしても修正がしやすいこと、そういう点が気に入って、油絵の具が好きになりました。

アクリル絵の具を使っていたときは、色がはっきりと出るせいか、いつも「なんかちょっと違うんだよな」って思っていたんですけど、油絵の具では、今のところはしっくりくる色を表現できていますね。

—— 油絵の具のほうが、思ったとおりの色を表現できるということですね。

そうです。まだ完全に思い通りに描けているわけではありませんが、今のところは油絵の具で作る色が一番しっくりくるので、描いていても楽しいですね。

あんな絵やこんな絵も描けちゃうんじゃないか!?って、期待みたいなものも油絵の具にはあります。

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ついつい “慣れ親しんだ” 人物画を描いてしまう

—— 人物を描くことが多い印象ですが、なぜ人物画が多いのでしょう?

何ででしょうかね...(笑)。

推測ですが、子供の頃からずっと漫画を真似して描くことが好きで、漫画も言ってみれば、人物画みたいなものじゃないですか。おそらく、僕にとって「人物」は描くことに慣れていて、描きやすい対象なんだと思います。

頭であれこれ難しく考えなくても、手が勝手にササッと動いていく。その気楽さから、ついつい人物を多く描いてしまっているのかもしれません。

—— 好きというより、描きやすいからこそ選んでしまうのではないかと。

そうだと思います。

本当は人物以外を描きたいんですけどね。なぜか人物ばかりになってしまうんですよ(笑)。

—— 人物以外では、どんなものを描いてみたいんですか?

きれいな風景画を描きたいです。

—— なぜ、風景画なのでしょう?

すごく油絵っぽいモチーフだなと思っていて。油絵の具を使うようになってから、もっと油絵らしい絵を描きたいと思うようになったんです。その最たるものが風景画かなと。

あと風景画って、いろんな場所に飾りやすい絵でもあると思っていて。カフェや商業施設など、多くの場所で風景画が飾られているのを見て、僕も風景画を描いてみたいなと思うようになりました。

伸太郎さんの作品

絵って、最終的にはどこかに飾られるものだから

—— とくに意味やテーマはないということでしたが、描く前や描いているときは、どんなことを考えているんですか?

僕は、インテリアや空間、部屋が好きなんです。部屋の中に自分の絵が飾られていて、それが部屋のアクセントや彩りになっていたらいいなって、そんなことを想像しながら絵を描いています。

部屋全体をイメージしながら、カフェだったら、カフェ全体の空間を想像しながら、ここにこんな絵があったらいいなって、妄想しながら描いていきます。

—— 最終的に、どういった空間に絵が飾られるのかをイメージしながら描くんですね。

油絵を始めてからは、そのように描いていますね。

—— 飾られる空間から描くものを決めていくという視点は、なかなか面白いですね。

絵って、最終的にはどこかに飾られるものじゃないですか。

飾ったときに、周りとどうマッチするのか、空間のアクセントになるのか、その空間をより良くできるのか、そういう目的みたいなものがないと、逆にどんな絵を描いていいのか分からないところはありますね。

—— 画面の中をどのように作っていくのかを考える人は多いと思いますが、画面の外との関係をここまで意識されている方はあまり聞いたことがないように思いますね。

僕の中では、描いた絵がどれだけその空間にマッチしてくれるかが重要なんです。

最近ではより空間にマッチさせるために、描いた絵を入れる額のデザインまで考えているくらいです。額ひとつで、絵の印象もだいぶ変わりますから。

—— 描きたいモチーフがあるというよりは、この空間をより良くするためには何が必要なのかを考えて描くんですね。

そうですね。

もちろん、これを描きたい!と思えるようなモチーフが見つかることもあります。こんな絵を描きたいなって、ぼんやりとしたイメージが湧いてきたタイミングで、その絵はどんな空間に飾るべきかを想像して、その空間に合わせて、ぼんやりとしたイメージを具体化していく、そんな感じで描いていきます。

—— 実際に、カフェや商業施設に飾られている絵を見に行くことはあるんですか?

はい。ただ僕の場合は、絵だけを見るというよりは、空間全体、部屋全体を見ます。全体を眺めながら、ここにこんな絵があったらいいなとか、ここにはこんな色が差し色で入っているといいなとか、そういうことをよく妄想しています(笑)。

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“いい人間” になるために、チャレンジし続けていきたい

—— 今後、どんな活動をしていきたいですか?

今は、絵描きにつながる活動やお話があれば、何でもチャレンジしてみようと思っています。どんなジャンルにしろ、チャレンジすること自体が好きなので、新しいことにもどんどん挑戦していきたいです。

できることなら、いろんな経験をしたほうがいいと思っていて、いろんな経験をすることで視野を広げて、表現の幅も増やしていきたいですね。

—— チャレンジすることが好きなのは、昔からですか?

子どもの頃からです。何ごとに関しても、なぜか「僕にもできるんじゃないか?」って思ってしまうんですよね。実際は、やってはみたけど、できなかったことばかりですけど(笑)。

今思えば、絵描きになるぞ!って決めたことも、実はけっこうなチャレンジでしたね。

—— 創作活動においては、どんなチャレンジを考えていますか?

まずは、個展ですね。「絵描き」と名乗る以上は、一度きちんとやらないといけないなと思っていて。なので、直近の目標は個展の開催です。

あと、これは持論ですが、人間性を高めるためにもチャレンジし続けていくことは必要不可欠だと思っていて。文字でも絵でも、自身のアイデアやセンスを絞り出していくような表現活動は、自身の内面がそのままが現れてくるものだと思っているんです。性格の良し悪し、器の大きさ、そういった人間性がけっこうダイレクトに現れてしまうものかなと。

なので、もうひとつチャレンジしたいことを挙げるとすれば、それは “いい人間” になることです。

—— “いい人間” ですか!?

たとえば、人のためになることを考えたり、部屋や町内をきれいに保ったり、言葉や行動もきれいなもの、美しいものを選ぶようにしたり。

そういう “自分が良いと感じる行動” ができるようになると、人間って、自分に対して自信を持てるようになると思っていて。人に見せても恥ずかしくない、逆に人に見せたくなるような自信に満ちた絵を描くために、僕はいま “良い行動” を習慣化するチャレンジを進めています。

おそらく、このチャレンジには明確なゴールみたいなものはないので、これから一生かけて挑戦し続けていくものなんだと思いますね。

—— インタビュー中、一貫して、まだまだ自分は発展途上だと自己評価される伸太郎さんからは、表現することへのストイックなまでの情熱がひしひしと伝わってきました。今後のご活躍を楽しみにしています!本日はありがとうございました!

文・写真:mecelo編集部

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画家