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メキシコってどんな国?! ー 「知りたい!」という衝動から動き出した私の作家人生【前編】

メキシコに魅せられ、幾度となく現地を訪れては、そこで得られたインスピレーションを作品として発表されている fumikotenさん。インタビュー前編では、メキシコに魅せられたきっかけや色彩ゆたかな作品に込められた想いについて、お話しいただきました。

“誰かに見てもらいたい” という思いから始めた作品発表

—— いつ頃から創作活動を始められたんですか?

もともと、子どもの頃から絵を描くことは好きでした。

作品として発表するようになったのは、20歳頃からです。「個展」といえるほど立派なものではなかったのですが、レストランやカフェなどで展示させてもらっていました。

—— 作品を発表されるようになったきっかけは、何だったのでしょう?

せっかく描いたのだから、“誰かに見てもらいたい” という気持ちがありました。

発表し始めた頃の作品は、技術レベル的にも恥ずかしいものばかりではあったものの、それでも飾れば見てくださる人がいて、展示をきっかけに応援してくださるようになった方々もいるので、(作品発表を)やってよかったなって思いますね。

—— 作品発表の背景には、作家になりたいという気持ちも少なからずあった?

うーん。もともと、あまり先のことは考えないタイプなので(笑)。当時も、好きなこと(絵を描くこと)をずっと続けていけたらいいなぁ〜くらいの気持ちだったと思います。

—— 作家を目指していたというより、好きなことを続けていたら、いつの間にか「作家」と呼ばれるようになっていたということでしょうか?

そんな感じですね。

もちろん、作家になりたい気持ちがゼロだったわけではありません。でも、作家になるという目標を立てて、がむしゃらになっていたら、きっとすぐに限界を感じてしまっていたと思うんですね。

幸い私は、“楽しみながら、続けていければOK!” くらいの気持ちでやっていたので、今までくじけることなく続けてこられたんだと思います。

02

メキシコ・アートには、表層からだけでは見えない奥深さがある

—— fumikotenさんの作品には、メキシコのアート文化の影響が色濃く表れていますが、メキシコにはいつ頃から、どんなきっかけで興味を持つようになったんですか?

高校を卒業して上京したんですが、“メキシコ” には、ちょうど東京に出てきた18歳の頃に出会いました。初めてメキシコの民芸品を見たときに、すごくびっくりしたんです。「こんな面白いものを作っている国があるんだ!」って。

それをきっかけにメキシコについて調べていくと、現地ではユニークなお祭りがあったり、街並みもカラフルで、生まれるアートも非常に刺激的だということを知りました。こんなに素敵なものばかりが生まれる国って、いったいどんな国なんだろう?って興味がわいて、「こりゃ、行ってみなくては!」と、出会った翌年には、メキシコの地に降り立ちました。

—— 実際に訪れてみて、いかがでしたか?

すごく楽しかったですね。一番最初に訪れたときは、ツアー旅行で、たった一週間の滞在だったにも関わらず、「また絶対に来る!」って強く思ったことを覚えています。

—— もともと、興味を持ったらどんどん前に進んでいくタイプなんですか?

当時は、若かったからサクッと行ってしまえたんだと思います。19〜20歳の頃って、何もわかっていないからこそ、色々やってしまえたってこと、ありませんでしたか?今だったら、もう少し慎重になっていたと思います(笑)。

本来は、“考えて、考えて、考えて...” みたいなタイプなんですが、メキシコのときは、なぜか「ピン!」ときたんですよね。「ここに行くしかない!」って。実際に訪れてみたら、本当に素晴らしくて、「ああ、ここに来て正解だったんだ」って確信しました。それからメキシコへは、幾度となく訪れることになります。

fumikotenさんの作品

—— 具体的に、メキシコのどんなところに惹かれたのでしょう?

明るいけど暗いところも見え隠れしている、ダークだけどユーモアも感じられたりするところでしょうか。私はメキシコ・アートの “表層からだけでは見えないものがある” というところが気に入っていて、そこは自分の作品にも活かしたいなと思っているところです。

あとは、やっぱり人や街の雰囲気ですね。大らかな人が多いです。もちろん、大らかでいいなと思う反面、予定や計画を立てるのが難しいと感じることもありますけどね(笑)。

—— 確かに、“大らか” は良くも悪くも受け取れますね(笑)。

はい(笑)。でも、制作していると、どうしてもひとりの時間が長くなってしまって、描き続ければ続けるほど、どんどん自分の世界が縮こまっていくように感じるんです。視野が狭まって、こうしなきゃいけないとか、ああしてはいけないとか、変な思い込みに囚われがちになってしまうんですね。

そんなときはメキシコへ行って、大らかで、良い意味で適当な(笑)方たちと交流することで、「もっとユルくていいんだな。もっと自由でいいんだな」って、気持ちをリセットさせてもらっています。

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楽しい気持ちが伝播していく、そんな作品を作りたい

—— 現在は、どのようなコンセプトで制作されているんですか?

私自身が、初めてメキシコの民芸品を見たときの驚きや楽しいと感じたときの感覚を大切にしていて、まずは、自分が作っていて “楽しいこと” を大事にしています。

「楽しい気持ち」が込められた作品を通じて、見てくれた人たちに「楽しい気持ちや面白いと感じる気持ち」が伝わり、それを受けとった皆さんの「楽しい、面白い気持ち」がつながっていく、そんな作品になって欲しいなと思いながら制作しています。

—— 猫をモチーフにされている作品が多いですが、猫にはどんな意図があるんですか?

たまに、メキシコでも展示をさせていただいているんですが、メキシコで最初に出会ったギャラリーが “猫専門” のギャラリーだったんです。あと、現地でお世話になったお宅で猫が飼われていたり。

メキシコへ行くと、なぜか不思議と「猫とのご縁」が多くて(笑)。それで段々とモチーフとして猫を描くようになりました。日本でよく展示させてもらっているギャラリーも、実は猫専門なんですよ。ここまでくると、なんだか猫に助けられているような気がしちゃいますね(笑)。

—— それまでは、猫を描くことはなかったんですか?

メキシコに行くまでは、猫に対する特別な思いは全くなくて。動物の一種だ、くらいにしか思っていなかったですね。なので、わざわざ猫を描きたいと思ったこともありませんでした。

04

明るい色は、前進するためのパワーを与えてくれる

—— メキシコでも展示活動をされているとのことですが、メキシコへの移住は考えていらっしゃるんですか?

行くたびに考えます。でも、日本国内での展示も続けていきたいので、今は行ったり来たりしながらの生活がベストなのかなと思っています。

—— メキシコに行くときは、どのくらい滞在されるんですか?

一番長い時は、近隣国に出たり入ったりしながら、トータルで5〜6年ほど滞在しました。

—— 5年も滞在されていたんですか!? もはや居住者ですね(笑)。

行くと帰りたくなくなってしまうんですよね(笑)。

気がついたら、「ああ、もう5年も経ったの!? じゃあ、そろそろ日本へ帰るかぁ」って感じで日本へ帰ってきて、また数ヶ月ほど経ったら(メキシコへ)行こうかなって。そんな行ったり来たりの生活を送っています。

—— メキシコにハマる以前も、どこか特定の国にハマっていたことはあったんですか?

スペインにはちょっと憧れていましたね。でも、メキシコのように「行ってみたい!」という気持ちにまではならなかったです。

—— どちらかといえば、ラテンなノリがお好きなんですね!

かもしれないですね(笑)。色彩の豊かな国に惹かれる傾向はあります。

ジミー大西さんがバルセロナで創作活動されていることを知って、いつか外国に移り住んで絵を描くのもいいなと思ったことが、スペインを意識するようになったきっかけです。そういえば、ジミー大西さんの作品も色彩豊かですね!

—— では、あざやかな色を用いるのは、メキシコ以前からそうだったんですか?

いいえ。メキシコへ行く前の作品は、もっと全体的に暗い色彩をつかって描いていました。作品が明るくなっていったのは、3.11の翌年に、メキシコの路上に置かれたバスに絵を描かせてもらったことがきっかけだったと思います。

明るい色って、見ているだけでパワーをもらえるじゃないですか。震災が起きたとき、私はメキシコにいて、被災状況のニュースを見るたびに沈んでいく気持ちを少しでも明るくしようと、カラフルな絵を描いたんだと思います、無意識に。そのときは、バスに描くことだけを考えていましたけど、今思えば、「辛いけど前に進もう」という気持ちが、色に現れていたのかもしれません。

文:mecelo編集部 / 写真:takamuneito

後編では、制作をつづけることの苦労やfumikotenさんならではの「出会いの引き寄せ方」、そして今後のチャレンジについてお話しいただきます!

fumikotenさんインタビュー 後編はこちら

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