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みんなが応援してくれるから、私は在りたい自分の姿に向かって自信をもって突き進んで行ける!【後編】

絵で生きていくことなんて無理 ー 大好きな絵を一度はあきらめ、別の道に進んだ Erika intheislandさん。後編では、在りたい自分を目指せないことへの葛藤から創作のテーマ、そして今後の挑戦についてをお話しいただきます!

大好きなバレエを作品にしていきたい

—— バレエをモチーフにされた作品が印象的ですが、バレエはお好きなんですか?

小さい頃に、クラシックバレエを習っていました。今でもバレエは好きで、好きなバレエの世界観を絵にできたらいいなと思って、バレエ・シリーズを制作しました。大好きな演目に登場するキャラクターたちの性格や個性をイメージしながら作ったのですが、とても楽しかったですね。

—— バレエ・シリーズは、今後も展開される予定ですか?

このバレエ・シリーズは、バレリーナのポーズでABCを作りたいと思ったことがきっかけで制作しました。演目は自分の好きな「くるみ割り人形」を選んで、登場するキャラクターたちがそれぞれに文字を形づくっている、そんな作品です。

ポーズでABCをつくる作品は、A〜Zまで一通りの文字は制作し終えているのですが、今後もバレエをモチーフにした作品はつくっていきたいですね。

—— バレエはどのくらい習っていたんですか?

4歳から22歳まで続けていました。私の中では、バレエはもはや人生の一部みたいな存在ですね。

—— プロのダンサーを目指されていたことも?

プロになることがどれだけ狭き門なのか、現実的なことを全く理解していなかった頃は、バレエ留学やプロダンサーを夢見ていたこともありました。でも、実はバレエを習っていた頃から、将来は絵をやりたいという想いの方が強かったんです。

どんな絵を描いて、どんな風に働いているのか、具体的なイメージはなかったんですけど、自分が描いたもの、創作したもので何かしたいって、小さい頃からずっと思ってきました。その想いが、ようやく今カタチになり始めたということです。

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応援してくれる人がいることで、自信をもって走っていける

—— 小さい頃から、ご自身が描いた絵で何かしたいと考えていた。もっと専門的な、美術大学への進学も考えられたのでしょうか?

もちろん考えたこともありました。でも、そもそも絵で食べていくなんて無理だと思っていたので、美大進学を選ぶことはできませんでした。

でも何かをつくる、デザインする、そういったことはしたいと思っていたので、絵ではない別の分野で探したら建築、インテリアが見つかって。建築やインテリアも、ゼロから作り上げるものだし、働くにも絵を描くよりは現実味があるということで、大学では建築科を選びました。

本当のことをいえば、美大に進みたい気持ちはすごくあったんですけど、自分の絵を売るってどういうこと?そんなこと本当にできるの?って、具体的なアイディアもイメージも全くなかったので、あきらめたというか。一番行きたかったところはあきらめて、現実味のある方に屈したというか。

—— やりたい気持ちはあったけど、でも具体的にどうしたらいいの?と。

そうです。当時は、全くわからなかったですね。

雑誌で挿絵を担当されているイラストレーターさんたちは、いったいどうやったらその仕事を得ることができたのか。そんなことを疑問に思いながら雑誌を見ていたんですけど、どこに行けばその仕事ができるのか、全く見えてこなかったんです。

今でこそ、わかるんですけど。当時は業界のことを全くわかっていなかったので、きちんとお金を稼げて、生活も安泰だという、現実的な方を選んだんです。

Erika intheislandさんの作品

—— そのような選択を一度はしたけれど、絵を描くことへの想いは消えなかったんですね。

建築のお仕事は楽しくて、やりがいもありました。でも、ずっと絵を描きたいという気持ちが自分の中にはあって。それって、結局他でもない自分がやらないと欲求は消えないし、何も変えられない。雑誌を眺めているだけでは、何も起こらないんだって。

日本では、自分の好きなことだけをやって生きていきたいけど、現実はキビシイとか、本当は◯◯になりたかったんだけど、今さら仕事や環境を変える勇気はないとか、そんなネガティブな声を耳にすることがよくあります。

でも海外では、そんな声を聞くことはなくて。みんな自分らしく、自分がやりたいことを楽しみながら生きている人たちばかりで。そんな姿を見ていたら、“私はできないんじゃなくて、ただ始めてないだけなんだ” ってことが分かって。だったら、自分から一歩前に踏み出して、始めてみようって思ったんです。

—— 実際に、一歩前に踏み出してみていかがでしたか?

実は、私が絵を描いたり、作品を作ったりしていることって、友人たちには言ってこなかったんです。でも作家活動をスタートさせたときに、思い切って友人たちに打ち明けたんです。そうしたら、意外にも皆応援してくれて、これにはすごく驚きましたね(笑)。

でも、そうやって応援してくれている人たちがいることで、私は在りたい自分、作家になりたい自分という目標に向かって突き進んでいってもいいんだなって、自分のやっていることに対して自信を持つことができるようになりました。

もちろん、まだ作家の仕事だけでは食べてはいけないので、もっともっと、自分のやっていることを広めて、たくさんの方に Erika intheisland を知ってもらうべく、試行錯誤しながら日々生活しています。苦労することもありますが、新しいことに挑戦できるという楽しみもどんどん増えていっていると感じています。

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より鮮明な記録を残すために ー 創作に込められた想い

—— 現在は、どのようなテーマで制作をされているんですか?

“自分の記録” ではないですけど、自分が見たものを “思い出” として残すために制作することが多いです。あらかじめテーマを決めてから描くというよりは、日常や日々の生活を通して目に映ったもの、印象に残ったものなどを、日記のような感覚で描いています。

—— なぜ創作活動を通じて、ご自身の記録を残そうとしているのでしょう?

もちろん、まったく別の方法で自分の記録や思い出を残すこともできます。日記をつけたり、SNSやブログに投稿したり。

でもあえて、創作を通じて、自分の記録や思い出の断片を残していこうとするのは、その作品を見返したときに、作品を通して、いろんなことを思い出せるからです。制作した場所やそのときの会話、そこから見えた景色など、制作中のエピソードや記憶、そのときのすべてが、鮮明に思い起こされる気がしています。

これを制作したときは、そういえばこんな気持ちだったなぁとか、そういえばあんな話をしてたなぁとか。私にとって、より鮮明に記録できる、記憶できる手段として、無意識にこの方法を選んでいるのかもしれません。

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創作を通じて、世代を超えて愛される絵本を残したい

—— 今後のチャレンジについて教えてください。

先にもお話したように、これから海外で暮らす可能性があるので、どこの国へ行くことになっても、ちゃんと自立して生きていけるように、自分の絵で生きていけるようにしていきたいです。

そして、絵本を出版したいですね。子供から大人まで、幅広い世代に読まれる、そんな絵本を作りたいです。貼り絵を制作している最中に、このキャラクターで何かお話ができるんじゃないか?って、よく想像していて。

すでにいくつかのストーリーは考えているので、それらをどのように絵本に展開させていくか、楽しみながら進めていきたいですね。

—— いろんなアウトプットの方法がある中で、なぜ絵本なのでしょう?

小さいときに読んだ絵本の絵やストーリーのことって、私は今だによく覚えているんです。大人になった今でも、あの絵は素敵だなとか、あのお話は今でも面白いなって、思うことが多くて。なので絵本って、子供のためだけのものでは決してなくて、大人も楽しめるものなんだと思っているんです。

あと、私が小さい頃によく読んでいた絵本が、今でも本屋さんに並んでいるのをみると、私が読んでいた絵本を、自分の子供や孫の世代も同じように読むのかもしれないって考えたら、すごいなって。世代が違っても、まったく同じ絵本を読んで、まったく同じシーンに感動する。そんな風に、すでに世代を超えて楽しんでいる人たちがいるのかもしれない。

絵本は、世代や時代を超えて受け継がれていくもの、つながっていくものだと私は思っていて、そんな素晴らしい絵本というものを、私も自分の作品として作り出していきたいと思っています。

—— 海外での生活を機に、長年の夢であった作家としての活動をスタートさせたErika intheislandさん。絵で生きていくことをネガティブに捉えていた時期もあったそうですが、現在はご自身の力を信じて、力強く前に進んでいる姿がとても印象的でした。本日はありがとうございました!

文・写真:mecelo編集部

Erika intheislandさんインタビュー 前編はこちら

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IconErika intheisland

切り絵作家/イラストレーター