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100% 私好みの作品を生み出すことで、皆が「自身のものさし」に気づくきっかけを広めていきたい【前編】

リアルな描写と独自の鮮やかな配色が美しい絵や商品を制作する 峰雪mineyukiさん。インタビュー前編では、峰雪mineyukiさんが、アートに生きることを決めたきっかけから、どのような想いで絵を描いているのか、お話を伺いました。

休学をきっかけに、アートに生きる人生へシフトチェンジ

—— いつ頃から、創作活動をされているんですか?

小さい頃から絵を描くことが好きで、紙と何か描くものさえ与えておけば、何時間でも絵を描いているような子どもでした。

あとは、子どもの頃から生き物がすごく好きで、生き物のことをもっとよく知りたいという好奇心から動植物をモチーフに描いていることも、絵を描き続けている理由のひとつかなと思います。

—— 幼い頃からずっと好きだったことを、今お仕事にされているんですね!

「描くこと」は、本当に小さな頃から続けていて、もはやライフワークみたいなものになっていました。平日でも一日に最低2時間、多いときには一日7〜8時間は、絵を描いているような毎日で。

でもだからといって、絵で何かをする、絵で生計を立てるなんてことは考えていなくて。描いたものを「作品」として、外で発表することも特にしていませんでした。

絵を描くことは、単純に “自分にとって必要なこと” であって、あえてそれを仕事にするとか、それで稼ぐとか、そういう思考とは切り離して考えていたんだと思います。

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—— 外向きの活動はされてこなかった 峰雪mineyukiさんですが、2014年にオリジナル・ブランド「made blue(メイド・ブルー)」を立ち上げ、イラストレーターとしての活動も開始されます。どんなきっかけがあったのでしょう?

高校卒業後は、美術とは関係のない一般の大学に通っていたのですが、在学中、病気のために2年ほど休学することになったんです。

休学をきっかけに、自分の進路であったり、本当にやりたい事について改めて考えて、これまでの人生を振り返ってみたんです。そうしたら、私がこれまでずっと続けてやってきたことって、「絵を描くこと」だったことに気づいたんですね。

ならば、もう自分の人生や仕事を、アートや創作の方に完全にシフトしてしまってもいいんじゃないかと思い、大学在学中にオリジナル・ブランドを立ち上げて、イラストレーターの仕事も開始しました。

—— 休学が、ご自身の「やるべきこと」に気づくきっかけになったんですね。

そうですね。それまで、絵を描くことや描けることについて、そこまで特殊なことだとは考えていなかったんですよ。でも、よくよく考えてみたら、自分の思ったとおりに絵が描けるって、実は特殊技能なんじゃないかって。

あと、私は絵を描いたり、何かしらの表現活動をしつづけていないと、自分がダメになると思ってしまうというか、そういう強迫観念みたいなものがあるんですね。そういった自分の性質や能力のことを考えると、それらを最大限に活かせることって、絵を描いたり、何かをデザインすることなのかなと。

また当時、自分で描いたものやデザインしたものを販売してみたところ、予想以上の反応がありました。そういった “評価” も、「これだったら、やっていけるかもしれない」と、私の背中を押してくれたもののひとつでしたね。

—— 自分らしい生き方として「アートに生きる」ことを決められてから、美大へ編入されています。

はい。京都にある美大のデザイン科に編入して、2017年度(2018年3月)に卒業しました。

美大へ編入した一番の理由は、デザインの勉強をきちんとしたかったからです。当時は、すでに自身のオリジナル・ブランド「made blue」を立ち上げて、イラストレーターとしての仕事もスタートしていました。それで、より自分のデザイン力を高める為にも、デザインの勉強の必要性を強く感じていたんですね。

絵を描くことに関しては、すでに自分が描きたいものを描きたいように描くスキルは十分に持っていると思っていたので、自身に足りないデザインの知識・スキルを培うためにも美大進学を選びました。

峰雪mineyukiさんの作品

“生きている”、“動いている” 生き物たちを描きたい

—— 峰雪mineyukiさんの作品といえば、「動物」がよく登場します。なぜ、動物をテーマに描いているんですか?

子どもの頃から動物に興味があります。彼らの生命力であったり、造形美・色など、人間にはない身体の仕組みや機能、あとは個々の性格などですね。

そういった内面的・外見的特徴って、その生き物が生き残るために獲得してきたものですよね。そう考えると、なんでこんな形をしているんだろう、なんでこんな色になったんだろうって、すごく興味深いというか。興味とともに、生き物がもつ生命力への尊敬の気持ちもあるんだと思います。

—— ひとくちに「動物をテーマに」といっても、さまざまな表現があります。峰雪mineyukiさんは、どのように動物を表現したいと考えているのでしょう?

“生きている生き物を描く” ことを、最も大事にしています。“止まっている” のではなく、“動いている”、 “生きている” と感じてもらえるような生き物たちを描きたいと思っています。

生き物って、動くじゃないですか。その動きを、絵の中でも極力止めないようにしたいんです。フォルムだけでなく、動きも生き物の魅力ですからね。

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—— “生きている” 生き物を描く。具体的に、どんな工夫をされているんですか?

描き込み過ぎないように気をつけています。生き物を描く際、均一な精緻さで博物画のように描き込んでしまうと、私の絵の場合、標本のように動きが止まってしまうように感じていて。

例えば、狼などの獣であれば、体毛を描き込み過ぎないようにするなど “重く” ならないように、意図的にある程度の「余白」をつくるようにしています。描く動物のなかに余白をつくることで、その生き物が持っている「動く」という本来の性質を殺さずに、“生きている” “動いている” 表現ができると感じているからです。

デフォルメされた可愛らしいタッチの絵を描きたいわけではないので、ある程度のリアルさであったり、野性味、グロテスクな部分も残るように意識しています。そういった面もきちんと描くことで、その生き物らしさを伝えることができると思うので。

—— リアルさも表現したいとのことですが、描くときは資料を見ながら描くんですか?

はい。なるべく資料を揃えてから、描くようにしています。実物を見ることができる場合には、可能な限り足を運ぶようにもしています。

生き物に関するあらゆる情報を自分の中に蓄積できるように、直接見て、触れて、においを嗅いで、鳴き声に耳をかたむける。私自身が、その生き物を “体験して” から描くようにしています。

以前、クジラの骨の絵を依頼されたことがありましたが、当時は骨を直接見て触ることが難しかったため、視覚情報に関しては海外の博物館のWEBサイトに掲載されていた写真をじっくり見て、そしてクジラの鳴き声が録音されている動画をひたすら流しながら描きました。

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—— 鳴き声!? そんな情報まで入手して描いているんですか!?

そうですね。狼の遠吠えを聞きながら描く、とかはよくありますね。犬であれば、自宅で犬を飼っているので、描くときはにおいを嗅いだり、ひっくり返してお腹の細部まで触ってみたりします。私は虫もまったく大丈夫な人なので、よく手のひらの上にのせて、じっくり観察しながら描いたりしていますね。

—— スタイリッシュだけど、でもどこか動物らしさも漂ってくるのは、峰雪mineyukiさんの描く姿勢へのこだわりの賜物だったんですね!

私は、獣を描くのであれば、ちゃんと “獣臭さ” を感じる絵を描きたいんです。カエルであれば、両生類のもつあの独特な生臭い感じとか。

生命力を感じられる絵を描くためにも、そのあたりはすごく意識しています。どうしたら “らしさ” を表現できるのか、伝えられるのか、いつも考えながら描いていますね。

文:mecelo編集部 / 写真:神戸 奈央・撮影協力:広島フィルム・コミッション

後編では、オリジナル・ブランドのコンセプトから、アートとデザインの違いへの探求、そして今後のチャンレンジについてお話しいただきます。

峰雪mineyukiさんインタビュー 後編はこちら

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Icon峰雪mineyuki

イラストレーター