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描きたいから描いていた頃とは違う。私の絵で心地よさを感じてほしい【前編】

育児期間を経て、画家活動を再開したむらせゆかさん。大学で油絵を学び、結婚、出産を経て一時期は絵を描くことから離れていました。むらさせんが絵が描けない期間に感じていたこと、絵に対する思いについてお話を伺いました。

絵を描くことは、みんなも楽しいと思っていた

—— いつ頃から絵を描き始めたんですか?

子どもの頃から絵を描くのが好きで、幼稚園の頃には絵にはまっていました。
でも絵を描いてばかりいたわけではなくて、外でも遊び回ったりしていましたよ。私は絵を描いた分は、外でも発散したくなっちゃうんです。

—— 遊びの中で絵を描く時も、お友達と一緒に描いていたんですか?

幼稚園の頃は、友達を誘って描いていたと思います。
すごく覚えているのは、ある時人形劇を作りたいと思って、少し年上のお姉さんを誘って二人で人形劇を作ることにしたんです。人形劇と言っても絵を描いた紙を切り抜いて、割り箸に付けただけのものですが、私が張り切って絵を描いているのに、そのお姉さんはちょっと引き気味でした(笑)。
結局、絵を描きたかったのは私だけで、完成することなく終わってしまって・・・そのお姉さんは、私のやりたい事に無理に付き合ってくれてたんだと後で気付きました。

—— 年上のお姉さんを先導して遊ぶような活発なタイプだったんですね。

絵を描くことに関しては(笑)。
絵が大好きだったので、きっとみんなも楽しいはずと信じていました。それでよく「一緒に絵を描こう」と誘っていたのですが、楽しいと思わない子もいるということに段々気づいていきました。

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—— 小さい頃から画家を目指していたんですか?

それが小学校に入ったら漫画にはまってしまって、一時期は漫画家になりたいと思っていたほどなんです。どうせ漫画家になるなら、絵の上手な漫画家になりたい、絵が上手になるために芸術系の大学に進みたいと思いました。
毎日、絵だけを描いて過ごせたらどんなに幸せだろうと想像しながら、油絵科を目指したんです。

それで大学入試のためにデッサンをたくさん描いていたら、デッサンが楽しくて楽しくて。その頃には漫画家への興味はなくなっていましたね。

—— デッサンの楽しさは、どんなところですか?

真っ白な紙の中に、自由に世界を創れるところですね。鉛筆しか使っていないのに、平面に三次元を表現できるのが面白かったです。三次元の世界が拡がっていく、それだけでワクワクしてました。

変化した環境。育児と画家の両立へ

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—— 大学卒業後は、どんなことをされていたんですか?

幼稚園で、お絵かきの先生をしていました。
もちろん自分でも描いて発表していましたが、何かの大賞を取ったとか、個展がすごく盛況だったということはなく、結婚・出産のタイミングで絵を描く時間がなくなってしまいました。

—— やっぱりお子さんが小さい時は忙しかったですか?

そうですね。赤ちゃんの頃は描く時間はなかったです。時間が限られてしまっただけでなく、油絵を描くことにも抵抗が出てきてしまって。

—— どうして油絵が描けなくなったんでしょうか?

油絵の具には有毒性があって、水も汚れますし環境にも良くないんです。もちろん、ちゃんと道具類を管理していれば安全ですが、子どもが産まれてからは油絵の具を近くに置きたくなくなってしまったんです。環境にも気を使うようになって、油絵から遠ざかってましたね。
でも何かを作るのは好きだったので、時間を見つけては細々とブローチなどを作っていました。

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—— では水彩画は、産後から描き始めたんですね。

そうですね。出産して少し時間ができてからですね。子どもが少し大きくなってから。やっぱり油絵以外で絵を描くことを考えると、水彩が一番身近でした。

—— 本格的に画家として復帰されたのは、いつ頃ですか?

上の子が5歳、下の子が3歳の時です。
今までは自分が描きたいから描いていたんです。自分のために描いていたようなものです。でも今は、見てくれた人が心地よさを感じるような絵を描きたいと思っています。そういう意味では、子どもができてから絵に対する考え方も変わりましたね。
自分のためではなく見てくれる人に向けて、その人達のために描きたいと思うようになったのは、子どもの存在が大きいと思います。

—— お子さんは、むらせさんの画家活動をどのように見ていますか?

私が“何も言わないで!”オーラを出しているので、何も言わないですね(笑)。たまに絵を見ながら「この子はどうして一人でいるの?」と興味を持ってくれているようですが・・・どう思っているんでしょうね。

描く手が止まっても、必ずまた描きたくなる

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—— 今まで、絵を描くことが嫌になったことはありますか?

嫌になったことは一度もないです。でも、立ち止まることはありました。描くことへの情熱とは別に「何のために、この絵を描いているんだろう?」と考えることが時々あったんです。私は絵を描いているけれど、描くことに何か意味があるんだろうかと。

大学の頃も油絵を描いていて目的がわからなくなる時があって、そうすると手が止まってましたね。

—— 立ち止まった時、何をきっかけに気持ちが復活しましたか?

やっぱり私、絵を描きたいんです。立ち止まっても描きたい気持ちが勝ると、目的がなくても描けるようになります。それでも描く意味を見つけたいと思いながら、描くことにはなってましたが。

—— 描くことに目的や意味を持たせたいと思い始めたのは、いつからですか?

大学生の頃からです。小さい頃は、落書きをしているだけで楽しかったんですが、大学で油絵を描き始めた頃から、描く目的を探していた気がします。
でも今は、私の絵を見てくれた人が心地よさを感じてくれることが、絵を描く目的になっているので、立ち止まることもなくなりました。

文・写真:mecelo編集部

育児を経て、画家活動に対する考え方が変わったむらせさんは、新たな挑戦も考えています。後半では、画家としての覚悟を持つまでに至った経緯と、これからチャレンジしたいことについてお話をお聞きしています。

むらせゆかさんインタビュー 後編はこちら

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Dataむらせゆか

画家、絵本作家