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“やらない” という選択はなし!自分らしく生きることで、皆のやる気スイッチを押せたらいい【前編】

「これから描くだろう絵は、すでに未来では決まっているんです」「見えない誰かが、私に絵を描かせようとしているみたいで」ー 数々のびっくり発言を淡々と披露してくれたYoshie Sakakibaraさん。ご自身の不思議な体験と、絵を描くこと、描きつづける意味について語っていただきました。

“たまたま” 入ったカフェから、すべてが動き出した

—— 絵はいつ頃から描かれているんですか?

本格的に描き始めたのは3年前です。それ以前は趣味の範囲で描く程度で、描くのも年に一度くらい。描きたくなったときだけで、まぁ、絵を描くのも好きだなくらいの感じでした。

—— では、絵は独学で?

はい、そうです。

—— 作家になろうと思ったのも3年前ですか?

そうです。ある時から、急に絵を描き始めるようになって。そんな時に、たまたま外に出たら雨が降ってきて、雨宿りのために、たまたま入ったカフェで展示をしていて、店長さんと話すうちに、私もそのカフェで展示させてもらうことになって。展示してみたら、飾っていた絵のほとんどが売れてしまって。それで「あぁ、もしかして私の絵ってイケるのかな?」なんて思ったことをきっかけに、作家活動を始めました。

—— すごい “たまたま” の連続ですね! 初めて絵が購入されたとき、どうでしたか?

すごく、びっくりしました。自分の絵が、まさかお金を出して買いたくなるほどのものだとは思っていなかったのもあって。絵の値段を決めたときも、念のためくらいの気持ちで、自分の中では絵が買ってもらえる可能性なんてゼロでしたから。

Yoshie Sakakibaraさんの作品

人生を劇的に変えた “弾き語り” との出会い

—— 絵は独学とのことですが、まわりに絵を描いている人や創作活動をされている人が多くいらっしゃったんですか?

友人たちが、そういう人ばかりなんです。音楽家、ダンサー、みんな何かしらの表現活動をしている人ばかりです。なので、その中で普通に会社員として働いていた自分には、すごく違和感を感じていました。

—— そのような方々とは、どのように知り合ったのでしょう?

高校生のときに、アコースティックギターを持って、駅で弾き語りをしていたんです。そこから弾き語りや歌を歌っている方々とのつながりができて。仲良くなった方のひとりが、東京の音楽事務所に入ってメジャーデビューして、そこから東京のアーティストの方々ともつながって。全てはそこから、弾き語りからつながっていきました。

—— 弾き語りをされていたんですか!なぜ弾き語りをしようと?

それも、たまたまなんですが(笑)。それまでは、実家が岡山の田舎の方にあったこともあって、高校を卒業するまで、夜に外出したことがない、ファミレスに行ったことがない、そんな生活を送っていました。外の世界を全く知らない、そんな子どもだったんです。

きっかけは、高校の夏休みに1日だけ夜出かけたことがあって、街の方に出かけたんですけど。駅から降りてきて、ふと顔を上げると弾き語りをしている人がいて。それを見た瞬間にすごい衝撃を受けたんです。世の中にはこんな事をしている人がいるんだ!って、驚きとともに、じゃあ私もやろう!って(笑)。

—— 「私もやろうっ!」ってなったんですか(笑)。 やってはみたいけど、ちょっと恥ずかしいなって思ったりはしなかったんですか?

いえ、全く思わなかったです(笑)。キラキラした人を見たときに、ただ見てるだけの人にはなりたくないというか、悔しいというか。あなたにできるなら私にもできるし!って思ってしまう、ちょっと我の強いところがあるんですよ(笑)。その人と同じことをやってみて、やっている人の気持ちを知りたいんです。

路上で歌っている人を見て、なんだかすごく気持ち良さそうに見えるけど、でも自分では経験していないので、実際のところは正直よくわからない。じゃあ、とりあえずギター買ってやってみようって(笑)。

—— お客さんが誰もこなかったらどうしよう、って心配したりは?

私の場合、人に聴いてもらうことではなくて、歌っている自分が気持ちいいかどうかを知ることが目的だったので、正直、聴く人のことはあんまり考えていなかったですね(笑)。

—— なるほど。自分ではコントロールできない他人の気持ちよりも、ご自身がどう思うかが重要であると。

そうですね。(人は)聴きたいと思ったらその場で聴きつづけるだろうし、聴きたくないと思ったら去っていくだろうし。それは個人の好き嫌いの話なので、例えその人の関心が私に向かなかったとしても、私にはどうしようもないことだと思っています。

—— 強いというか、真っ直ぐな方なんだなぁと感じました。

いえ、我が強いだけですよ。

—— 我が強いというか、怖いもの知らず(笑)。

良くも悪くも、ですね(笑)。

—— 多くの人は行動する前に考え過ぎて、躊躇してしまうことの方が多いですからね。

躊躇.....。(しばし考える)

—— 躊躇という言葉は、Sakakibaraさんの辞書にはない?

その感覚は、自分には備わっていないような気がします(笑)。いいのか悪いのかはわからないですけど。

自分では自分の性格を、いろんなことにすぐ疑問を感じるタイプだと思っています。弾き語りも、路上で歌っているときの気持ちってどんなだろう?って疑問から始まって、でも考えてみたところでよく分からないから自分でやってみただけで。ものごとに対して、何それ?知らない!知りたい!って思うことが多いですね。疑問というか、ものごとに対して興味が湧きやすいのかもしれません。

何かを生み出せる人になりたい ー その思いとは裏腹に何もできなかった20代

—— 絵を描くことについては、どんな点に興味を持ったのでしょう?

きれいなものが好きなんです。それが目で見えるものでも、見えないものでも。絵だったり、風景だったり。人の見た目、ビジュアル。見えないものでいえば、人の心や言葉。

きれいなものって、自分にはすごく芸術的なものとして映るんです。きれいなものを観たり、感じたりした瞬間それ自体がひとつの芸術作品というか、造形物というか。たとえ目で見えなくても、自分にはキラキラした芸術品として映る。そういった芸術品をゼロから生み出すことを、単純にすごいなと思っていて。私もゼロから何かを生み出したい、そうずっと思っていました。

—— 弾き語りも、ゼロから何かを生み出す表現行為のひとつだった?

そうです。弾き語りを始めたのも、何かを生み出したいという気持ちからでした。ただ実際にやってみたら、自分は音楽より絵の方が好きなんだなということに気がついて。

絵にシフトした20代前半の頃は、頭の中ではこんなきれいなものを描きたいとイメージしていても、それを上手く表現することができなくて。自分の理想と実際に描き上がったものとのギャップが大き過ぎて、その現実を見るのがすごく嫌で、だんだん描く回数が減って、そのうちにほとんど描かなくなってしまいました。

—— 好きなのに思うように上手くいかなかった。ほとんど描かなくなっていた状態から、どんなきっかけでまた描くことに?

きっかけは、先にお話した雨宿りついでに入ったカフェで展示をすることになったことです。ちょうどその頃から急にまた絵を描くようになって。人生何がきっかけになるかなんて、分からないものですね。

また絵を描くようになってから気づいたことがあって、私は頭で考えながら描くと描けないんだなと。理想と現実のギャップに苦しんでいた頃は、よくこんな絵を描きたい!ってイメージを頭の中で思い浮かべて、こんな素敵な絵が描ける人になれたらいいな、なんていろんなことを考えながら描いていたんですけど。

今は自分の意志とは全く関係のないところで、勝手に絵ができ上がっていく感じです。自分の手を動かして描いてはいるんですけど、でも何もしていないというか。自分の絵なのに、「さて、どんな絵ができ上がるのかな?」って、わくわくしながら描いているんです。絵が完成すると、「こんなんできたんやなぁ!」って(笑)。

—— 「こんなんできたんやなぁ!」って(笑)。ざっくりでも、こんな絵を描こうって決めたりはしないんですか?

決めないことが多いです。ペンを持ってなんとなく描き始めたら、なんだか龍っぽい形ができ上がってきたので、最終的に龍の絵になった、とか。日頃からインターネットとかで、動物の写真はよく見ていますが、「この動物、素敵やなぁ」って思っても、じゃあ次はこの動物をモチーフに描こう!とはならないんです。

これから描くぞー!っていって、描けるものでもなくて。波長というんでしょうか、周期みたいなものがあって、それにピタッとはまったときに描ける感じです。はまったときは、ほとんど無意識に紙を広げて、ペンを握って描き始めます。手が勝手に動き出して、ほわほわほわぁって、いつの間にか絵ができ上がっていく、そんな感じです。

文・写真:mecelo編集部

後編では、現在の作風に大きな影響を与えたという「ゼンタングル」との出会い、ご自身が描きつづけることの意味、役割について、お話いただきます!

Yoshie Sakakibaraさんインタビュー 後編はこちら

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IconYoshie Sakakibara

ペン画家